欧州環境情報

2010年6月1日



.「環境負荷表示」の義務付けを延期(フランス)

2010年4月27日、フランス政府は2011年1月からの導入を予定 していた二酸化炭素(CO2)排出量など環境負荷の表示を義務 化する法案の施行日を2010年7月以降に延期する方針を公表し た。

2010年5月4日から国民議会(下院)で審議(第2読会)が始ま った「環境国家契約法案(通称、グルネル第2法案)」に本格 的な施行の前に最低1年間の試行期間を設けることなどとする 修正案が盛り込まれた。




化学物質安全性評価と化学物質安全報告書作成ツール「Chesar」を公表(ECHA)

2010年5月12日、欧州化学品庁(ECHA)は、新しいツールとな る化学物質安全性評価(CSA)と化学物質安全報告書(CSR) の作成を支援するインターネットツール「Chesar(カイザ ー)」を公表した。

このツールは、REACH規則の中で、年間10トン以上、生産また は輸入している化学物質に義務付けられているCSAとCSRの作 成を支援するもの。

ツール「Chesar」を使用することにより、インターネットを 介して、完全なCSAを効率よく作成することができ、既に登録 済みのデータを再利用することが可能で、効率化が期待され ている。




2020年以降は建物をカーボン・ニュートラルへ(EU)

欧州議会は2010年5月18日、2020年以降に欧州で建設されるす べての建物に対して、実質的にカーボン・ニュートラルする ことを義務づける新たなエネルギー基準の設置を承認。カー ボン・ニュートラルとは、温室効果ガスは排出するもののそ れを吸収し、差し引きゼロにすること指す。

この政策はEU加盟国の27カ国を対象に、段階的に施行さ れ、2018年には全ての公的な建物を対象とし、その2 年後には全ての住宅や事務所が対象になる。




ライン河に鮭が(ライン河保護国際委員会)

ライン河のサケの年間漁獲量は、1870年から1950年の間に28 万トンからゼロになるほど河川が汚染されたという。

ライン河の浄化のみならず魚が遡上できように河の改修する などの努力が実り、ライン河保護国際委員会によると、1990 年にサケは再びライン河に姿を表し、その2年後には産卵する ようになった。

ライン河保護国際委員会の2009年度調査によると、ヨーロッ パの17の主要都市を流れるライン河で、タイセイヨウサケを 含め67種の魚類が観測されている。

昔は、化学工場からライン河に現像液が排水とともに流され たため、ライン河に撮影したフィルムを浸ければ現像ができ るとも言われた時代があったが、これも過去のものとなってき た。ライン河保護国際委員会は、1986年に発生したスイス・ バーゼルで発生した火災事故によって消化剤などの流出によ ってライン河が汚染され、スイスのみならず隣国に影響し、 その対策として出来た委員会である。

ライン河から飲料水として取水もしているため、ライン河の 汚染防止は重要でもある。




グリーンピースのGreener Electronics報告書(オランダ)

グリーンピースの2010年5月26日の発表によると、「環境に優 しい電機メーカー・ランキング」の調査結果(Guide to Greener Electronics)の第15報を公表した。

Nokiaがトップを維持しており、有害物質に関する公約を撤回 した企業はペナルティーが追加されて点数を落とし、順位を さげている。今回、公表には、英語のみならず日本語でも同 時に公表された。

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